関節リウマチと遺伝子について

リウマチとは「筋肉」「関節」「骨」「腱」などの運動器の「痛み」と「こわばり」を起こす病気の総称です。今回お話しするのは、この病で一番多い関節リウマチのことです。関節リウマチの原因はまだ完全にわかっていませんが、多くの研究の結果、いくつかの遺伝子の変化が組み合わさって発病する事が分かってきました。
遺伝子(DNA)が原因の60%程度と推定されていますが、いわゆる、遺伝病とは違います。母親や兄弟にリウマチの人がいると、そうでない人と比べて発症率がやや高くなるという程度です。
発病を予防する方法は現在のところ見つかっていません。
以前は不治の病と恐れられていましたが、近年の治療薬の目覚しい進歩により、運悪く発症してしまった場合でも、ほとんど症状のない状態(完治に準じた状態で寛解=かんかいと呼びます)にまで治すことが可能です。
大部分の患者さんは、二ヶ月に一回程度の通院で健康な人とほとんど変わらない生活を送ることができるようになります。
MTX(メトトレキサート)という内服薬が、多くの抗リウマチ薬の中で最も効果が高く、現在の治療の主力になっています。
ただし、日本の現状ではリウマチ専門医でも、まだMTXの投与量が欧米と比べて不十分なため、治療効果が上がっていない、という問題点があります。
また、MTXを使用する場合、 葉酸というビタミンを必ず併用しないと、胃腸障害、肝障害などの副作用が非常に出やすいため注意が必要です。
MTXで不十分な場合には最新の遺伝子技術で開発された生物製剤と呼ばれる注射薬(エタネルセプト、インフリキシマブ)を使用します。。
注射薬は肺炎などの感染に気をつけて使用すれば、驚くほどの効果が期待できます。半面、治療費がやや高いことと、十分な使用経験のある施設がまだ少ないことが難点です。
特に発症してから一〜三年間の治療が重要です。
もし、数ヶ月間の治療後も関節のはれや痛みが続く場合、いずれ関節の変形が進んでしまう危険が大です。MTXや注射薬の使用に習熟している専門医を受診することをお勧めします。
神奈川新聞 2006年10月2日掲載より抜粋

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