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「膝関節骨壊死症」という病気
私は膝関節痛の治療を専門としていますが、その原因として最近急増している膝関節骨壊死という病気があります。
膝の軟骨が減ってしまうために痛みが出る 「変形性膝関節症」は今までよく知られていましたが、実は膝関節の骨壊死もかなり多いことが最近わかってきました。
簡単に説明すると、骨の脳梗塞と考えてください。
骨の中の細い血管が詰まると、血液がいかなくなり、その部分の細胞が死んでしまう(壊死)病気です。 実は年をとってくると、気付かないうちに小さな脳梗塞がしょっちゅう起きていることが、頭のCTやMRIをしょっちゅう撮るようになってから、よく知られるようになりました。
それと同じことが実は、全身の骨でも起こっているのです。
今まで、若い人の靭帯や半月板損傷などを除き、レントゲンはとっても、膝のMRIをとることはあまりありませんでした。
ところが自由が丘整形外科のように膝関節痛のより精密な診断を行う施設では、レントゲンだけでは全く情報不足なのです。
おそらく私たち自由が丘整形外科は、日本全国でもっとも膝関節のMRIを多く撮影する医療機関だと思います。
私は、このことを過剰検査や医療費の無駄遣いだとは思っていません。
詳細は MRIによる精密な膝関節痛診断 全国の一般レベルの病院・クリニックの整形外科外来で毎日繰り返される診療パターン。
すなわち、レントゲンをとって、「膝の軟骨が減っていますね。年のせいだから治りませんよ。毎週注射をしますから通ってください」という説明。
そしてその先生の言葉を信じて毎週通ってもちっともとれない痛み。
歩くたびに痛いという苦痛からのがれたいという切実な患者さんのニーズに、現在の診療レベルは全く答えていないのです。
その原因は不明とされていますが、おおよその予測はついています。
太り気味の中年以降の女性に多いこと。ステロイドホルモン(プレドニン)投与後、血液中のコレステロールが異常に増加した状態(血液が油でドロドロの状態)では、高率に発症すること。
膠原病などで大量ステロイド投与時に、高脂血症の薬を同時に予防的に投与すると、発症率が下がること。
などから、やはり脳梗塞や心筋梗塞と同じように高脂血症→細い血管の詰まりというメカニズムが大きく働いていることは間違いないでしょう。
自由が丘整形外科では、骨や軟骨の老化も血管の老化(動脈硬化)から来るという、基本理念のもとに膝関節痛の患者さんでも、初診時にはリウマチ検査(リウマチ因子・CCP抗体など)やコレステロール(特に悪玉のLDL)、糖尿病(ヘモグロビンA1C)をチェックすることをルーチンにしています。
その結果、悪玉コレステロール(LDL)の高い人に骨壊死の発生が多いという印象を持っています。いずれ正確なデータをとる必要がありますが。
骨壊死はほとんどの場合、大腿骨(膝の上の骨)の内側の関節面、つまりもっとも体重のかかるところに発生します。
この部分に多発する理由は2つあります。体重がかかり骨にもストレスがかかりやすいために内部の圧があがるため。(特にクッションになる表面の軟骨が減っている場合には)起こりやすくなるようです。
また、骨のどまんなかや体重のあまりかからない外側などほかの部分で起こっていても症状として現れにくいので自然に治ってしまう。 そのため発見されることが少ない。というのがもうひとつの理由です。
では、膝関節骨壊死が起こってしまった場合にはどうしたらいいのでしょう。
ごく小さなものであれば自然に治ってしまうことが期待できます。
ところが、範囲が大きい場合には、体重がかかって、骨の表面が陥没してしまうことがあります。
すると表面をおおっている軟骨も削れてしまい痛みがとれなくなります。
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