リウマチ治療コラム

「リウマチ」とは?
関節リウマチとの違いをわかりやすく解説

関節リウマチの滑膜炎のイメージ

「リウマチ」という言葉は、テレビや家族の会話などでよく耳にする一方、実際にどのような病気を指すのか、正確に説明できる方は多くありません。「関節リウマチ」と同じ意味だと思われがちですが、医学的にはもう少し広い意味を持つ言葉です。ここでは、「リウマチ」という言葉の指す範囲と、その中でも代表的な「関節リウマチ」について、症状・検査・治療の考え方まで整理してご紹介します。

広義の「リウマチ性疾患」とは

「リウマチ」は本来、関節や筋肉、骨などの運動器に痛みやこわばりが起こる病気全般を指す、ゆるやかな総称です。医学的には「リウマチ性疾患」と呼ばれ、100種類以上の病気が含まれるとされています。代表的なものは次の通りです。

  • 関節リウマチ(RA)——一般的に「リウマチ」という言葉が使われるとき、多くはこの病気を指します
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • シェーグレン症候群
  • 強皮症
  • 乾癬性関節炎
  • 強直性脊椎炎
  • リウマチ性多発筋痛症
  • 回帰性リウマチ

このように、「リウマチ」とひとくちに言っても、原因も症状の出方も異なるさまざまな病気が含まれています。そのため、「リウマチかもしれない」と感じたときは、自己判断せずに専門医療機関で正確な診断を受けることが大切です。

「関節リウマチ」とは

数あるリウマチ性疾患の中でも、患者数が多く、日常生活への影響が大きいのが「関節リウマチ」です。これは自己免疫疾患のひとつで、本来は細菌やウイルスから体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の関節(滑膜)を攻撃してしまうことで起こります。

主な特徴

  • 手足の小さな関節(指・手首・足の指など)に、左右対称に症状が出やすい
  • 朝のこわばりが特徴的で、起床後しばらく関節が動かしにくい
  • 放置すると滑膜の炎症が軟骨や骨を破壊し、関節が変形することがある
  • 日本国内の患者数はおよそ60万〜100万人と推定され、女性が男性の3〜4倍多い
  • 発症のピークは30〜50代だが、若年性のものや高齢になってからの発症もある

診断に使われる主な検査

  • リウマチ因子(RF)
  • 抗CCP抗体
  • CRP・赤沈(炎症の強さを示す指標)
  • 関節エコー・MRI(画像で滑膜炎の有無を確認)

治療の考え方

関節リウマチの治療では、早期に炎症を抑え、関節の破壊を防ぐことが重視されています。抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)や生物学的製剤を用いた治療が標準的な選択肢です。近年は治療の進歩により、早期に適切な治療を開始することで「痛みがほぼゼロ」といえる寛解状態を目指せるケースが増えています。

国内の患者数と増加傾向

「関節リウマチ」と聞くと珍しい病気のように思うかもしれませんが、実は身近な病気のひとつです。厚生労働省の資料では、国内のリウマチ患者数はおよそ60万〜100万人と推定されており、これは人口の0.6〜1.0%、およそ100人に1人にあたります。決してまれな病気ではないことがわかります。

患者数については、次の2つの理由から今後も増える、あるいは高止まりする傾向にあると考えられています。

  • 高齢化が進み、高齢になってから発症する方が増えていること
  • 抗CCP抗体検査や関節エコーなど検査技術が進歩し、これまで見つかりにくかった早期の関節リウマチも診断できるようになったこと

なお、男女比は女性が男性のおよそ3〜4倍で、女性に多い病気であることに変わりはありません。ただし、次にご紹介する「高齢発症」のケースでは、この傾向が少し異なります。

高齢発症関節リウマチ(EORA)にも注意

関節リウマチというと30〜50代の女性を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、60歳以降になってから発症する「高齢発症関節リウマチ(EORA)」という病型もあり、高齢化にともなって患者さんが増えています。

EORAには、若い方の関節リウマチとは異なる特徴があります。

  • 女性だけでなく、男性の患者さんの割合が比較的高い
  • 指や手首よりも、肩・膝・股関節など体の大きな関節に症状が出やすい
  • 発熱や体重減少など、全身の症状を伴うことがある
  • 血液検査(リウマチ因子・抗CCP抗体)が陰性でも発症していることがある

血液検査だけでは判断がつきにくいこともあるため、高齢の方で肩や膝の痛み・こわばりが続く場合は、関節エコーなどの画像検査もあわせて行える医療機関で相談することが早期発見につながります。「年のせい」と思われがちな症状の中に、治療が可能な関節リウマチが隠れていることもあります。

「リウマチかも」と感じたら

関節の痛みやこわばりが長く続く場合、それが関節リウマチによるものか、他のリウマチ性疾患によるものか、あるいは加齢による変化なのかは、血液検査や画像検査を組み合わせなければ正確には判断できません。症状に心当たりがある場合は、早めにリウマチ専門医のいる医療機関に相談することをおすすめします。

参考文献

  1. 厚生科学審議会疾病対策部会 リウマチ等対策委員会「リウマチ等対策委員会報告書」(厚生労働省, 平成30年11月)
  2. 桑名正隆「関節リウマチはもはや高齢者の疾患か?」日本医科大学医学会雑誌 2020; 16(2): 117-120
  3. 大西ほか「高齢発症関節リウマチの治療」(日本臨床免疫学会関連誌)
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EARLY DIAGNOSIS

「気になる」段階での受診が、
将来の関節を守ります

関節リウマチは適切な治療によって寛解(ほぼ症状がない状態)が目指せる疾患です。
しかし、治療開始が遅れると関節の変形や機能障害が進みます。
症状が軽い時期でも、まずはリウマチ専門医にご相談ください。

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