メトトレキサート内服中の方は必見!葉酸について学ぼう

臨床に基づくコラム

関節リウマチの治療として、メトトレキサートを始める患者さんの多くは、フォリアミンという葉酸のお薬を一緒に飲むことがあります。

当院で採用しているフォリアミン

普段の食事に関しては、気にしなくて大丈夫だけど、葉酸をとりすぎないように言われているのではないでしょうか?

でも結局、食生活の何に気をつけたらいいんですか?

と言う患者さんからのツッコミが色々なところから聞こえてきそうな気がします。

そこで今回は、葉酸やその摂取量などについて詳しくお話ししたいと思います。

と言うか、そもそも葉酸ってなんですか?体に良さそうなのは分かるけど。

葉酸は、水溶性(水に溶けやすい)ビタミンで、ビタミンB群の仲間になります。

葉酸を含んでいる野菜の一例

ビタミンB12とともに赤血球の生産に関わったり、DNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける働きをしています。

そんな葉酸は、野菜を中心に様々な食品に含まれています。

  • ブロッコリー花序/つぼみ(焼き):450㎍
  • えだまめ(ゆで):260㎍
  • めキャベツ(ゆで):220㎍
  • ほうれんそう(なま):210㎍
  • さつまいも皮つき(蒸し):54㎍

μgとは、“マイクログラム”と読みます。

1mg=1000μgというとても小さな重さです。

ちなみに、1g=1000mg(0.001g)、1,000,000μgとなります。

日本人の食事摂取基準2020年版では、葉酸の推奨量は成人では男女ともに1日当たり240μgとされています。

また令和2年(2019年)の国民健康・栄養調査結果によると、日本人(20歳以上)の葉酸の摂取量は平均で1日当たり303μgであり、その供給源は野菜が最も多く115μgと約38%を占める、と報告されています。

それに対し、メトトレキサート内服中の葉酸の摂取量はどれぐらいかと言いますと、

5〜10mgのフォリアミンを併用していることが多いです。(主治医の判断によって量は決定します。)

そのため、葉酸を10mg以上摂取してしまうと、メトトレキサートの効果に影響が出てくると考えられます。

じゃあ葉酸を10mg取るってどれぐらいなの?

ブロッコリーで例えますと、これぐらいになります!

個体差はありますが、ブロッコリー1株に葉酸10mgほど含まれています。

一株を丸々使ってしまおうと思うと、だいたい大人3~4人分になるのではないでしょうか?

つまり、意識して葉酸を摂取しようとしない限り、日常生活の食事中に、メトトレキサートの弊害を起こすような葉酸を取るのは、とても難しい、ということになります。

ただし、青汁やサプリメントに関しては、注意が必要です。

青汁は100gあたり約800μgの葉酸が含まれています。

他にもサプリメントは400μgの葉酸が含まれていることがありますので、サプリメントを服用したい場合は、主治医にご相談いただく方が安心かと思います。

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