関節リウマチでもない、変形性関節症でもない痛みの正体は?全身性エリテマトーデスについて。

シーズンズ東京リウマチクリニック

関節リウマチの初期症状といえば、

指の(第2)関節が痛みます。

膝が腫れて、痛くて歩きづらいです。

関節のいろんなところが痛みますが、数日で消えることもあります。

こちらは院へ受診される患者さんから、とてもよく聞く症状です。

では、こちらの症状は?

身体がだるくて疲れやすいんです。

ちょっとした微熱が続いています。

この症状も実は関節リウマチの初期症状の一つなんです。

関節リウマチの炎症が強い時に、全身の怠さを感じたり、微熱が出ることがあります。

ただ、関節リウマチでも起こる症状ですが、関節リウマチではない場合もたくさんあるんです。

その一つが、膠原病になります。

以前、シェーグレン症候群のお話をしましたので、今回は全身性エリテマトーデスについてお話していきますよー!

ではまず、膠原病とは、なにかと言いますと。

膠原病とは、皮膚や内臓の結合組織や血管に炎症・変性を起こし、さまざまな臓器に炎症を起こす病気の総称、になります。

膠原病には様々な種類がありますが、その中の一つが、全身性エリテマトーデス、になります。

こちらは、英語でSystemic Lupus Erythematosusといい、頭文字をとって、SLEとも呼称されます。

全身性エリテマトーデスは、20~40代の女性に多い膠原病です。どの年代でも発症することがあります。

Systemicは全身、という意味があります。

その意味が示す通り、全身性エリテマトーデスは、身体の至る部位(内臓や関節など)に、様々な症状を引き起こす病気になります。

冒頭でもお伝えしましたが、初期症状は、発熱・関節痛、そして皮疹になります。

この皮疹は、『蝶形紅斑』と呼ばれ、蝶々のような形をした赤い皮疹が顔に出てくることが特徴です。

ちなみに、全身性エリテマトーデスの英語名であるLupusとは、ラテン語で狼、Erythematosusとは、ギリシャ語で赤色を意味します。

『蝶形紅斑』は、狼に噛まれた痕に似ていることから、名前が付けられたと言われています。

そして気になる、全身性エリテマトーデスの症状の一つである関節痛

関節リウマチの関節痛ととても良く似ていて、左右対称に、いろいろな関節に痛みが生じてきます。

ただ、関節リウマチとは違い、軟骨が破壊され、関節の変形することはありません。

全身性エリテマトーデスの症状は他にもあります。

約半数の患者さんに起こると言われている、ループス腎炎。

精神や脳に影響を及ぼすことがある、神経症状。

呼吸のしにくさ、胸の痛みが出てくる、といった肺や心臓の症状。

  • ループス腎炎:全身性エリテマトーデスが原因で発症する腎臓の炎症性疾患。主な症状は蛋白尿、血尿、むくみ、高血圧など。
  • SLEにおける神経症状:不安障害・てんかん発作など症状はさまざまに起こる。SLEの活動性が高い時、初発時や発症1年以内に起きることが多い。
  • SLEにおける肺や心臓の症状:肺病変は胸水や胸膜炎、心臓病変は、心外膜炎や肺動脈性肺高血圧が発症することが多い。

などなど、症状は多岐に渡ります。

そのため、全身性エリテマトーデスと診断を受けた際、症状に応じて、様々な検査を行うことが多くあります。

そんな全身性エリテマトーデスの診断で、特に重要となる項目が血液検査です。

抗核抗体、という自己抗体をチェックします。

抗核抗体とは、膠原病全般をスクリーニングする検査のことを指します。

そのため、

抗核抗体が陽性だった!私は全身性エリテマトーデスだ!

というわけではありませんので、ご安心ください。

詳しくは、こちらをご参照下さい。

関節リウマチや全身性エリテマトーデスに限りませんが、早期発見・早期治療は重要です。

これぐらいの症状で受診するのはちょっと…。

と思う方も、思われない方も、気になる症状は、病院やクリニックでみてもらいましょう!お早目の受診をお勧めいたしますよー!

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