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まず、膝の水を抜いてもらったときにその色と量、濁り具合をよくみておきましょう。
おおまかにいって、濁りが強い(白血球が多い)ほど炎症が強いといえます。 通常、膝には2−3ミリリットルのわずかな水があり、黄褐色透明でなめこのぬめりのようにとろーっと粘り気があります。ヒアルロン酸が主成分になっており、潤滑剤の役目をしています。それに対し、たまった水は粘り気のない水です。 ときに、抜いてみると血液だったりすることもあります。
膝の水は抜いたほうがいいのか
つっぱって、曲げられないほど溜まっているときは一度は抜いたほうがいいでしょう。 同時に、私たち膝関節症・リウマチ専門医にとっては、ぬいた水の色、にごり、さらに成分分析や細菌培養の結果をみることが診断や治療方針を決める上で貴重な情報を与えてくれます。
ただし、漫然と何度も抜くようなことは私は決してしません。
抜いた水の性状をみて、感染が否定されれば即座に同じ針から炎症を抑える薬剤(ごく少量のステロイド剤)を注入します。
抜くとくせになるというがほんとうか
膝にステロイド剤を一度注入することで、再度抜くほど水がたまることは大部分なくなります。 水の原因になっている炎症を治療せずに、なんども水をぬいているケースがあるため癖になると勘違いされるのでしょう。
また、膝に水がたまっているようなケースではヒアルロン酸(潤滑剤 アルツ・スベニールなど)単独の注入では効果が期待できません。
隠れリウマチに注意を
一度、膝の水を抜いて、ステロイド剤を注入してもまた再発を繰り返すようであればリウマチ(われわれは英語の略語でRAとよく呼びます)、痛風、偽痛風などの疾患を考える必要があります。
特に怪我をしたわけでなくても膝に水がたまる場合、さらに女性で両側であれば、リウマチの可能性をいよいよ考えなければなりません。 わたしはリウマチ専門医なので膝関節のみに限局したリウマチなど多数経験してきていますが、一般の整形外科の先生の場合リウマチというと手を中心に全身の関節が腫れるものというイメージが強いためどうしても診断が遅れがちです。
私の場合、ねんざなどの外傷なしに膝に水がたまった場合、どんな年齢でも必ずリウマチ因子とCRPだけは調べるようにしています。このステージでリウマチを発見した場合、関節の損傷が進むまえに病気の勢いを消してしまえるので治療上も圧倒的に有利になります。
典型的な変形性関節症(われわれの言葉でOA)として治療していたかたでも70歳や80歳にもなって軽いリウマチをかぶってくるなどもよくあります。
1回の注射でも繰り返す場合
さらに血液検査でリウマチなどが否定された場合、私は通常の消炎鎮痛剤、グルコサミン・コンドロイチンに加えて漢方薬で防已黄耆湯という薬剤をよく使用します。
さらに、その他の頻度の低い疾患を鑑別するためにMRIを撮影します。骨壊死、PVSなどの腫瘍性疾患、軟骨軟化症、半月損傷の診断に役立ちます。
膝の痛み・変形性膝関節症にお悩みの方へ
お問合わせ:東京リウマチ・膝関節治療センター(自由が丘整形外科) リウマチ・膝関節治療専門 院長 天本 藤緒 (日本整形外科学会専門医 日本リウマチ学会専門医) 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-14-7 シーズンズ自由が丘B1F TEL.03-5726-4711 FAX.03-5726-4712 E-mail:jseikei@goo.jp 医療機能情報公表制度対応