
私たちが、リウマチを診断・治療していくうえで、いま最も重要な血液検査が抗CCP抗体というものです。
私たちは、リウマチまたは、リウマチを疑う患者ほぼ全員で約3年間、この抗CCP抗体を調べてきました。
その数は数千人にのぼります。その多くの経験から、わかってきたことがあります。
私たちの経験からわかっていること
⇒抗CCP抗体の値は、リウマチの重症度と高確率で比例する。
補足すると、 もし治療しないでほっといたら2−3年以内に かなり進行するという意味で、現在の値と症状は並行しません。 先々の重症度がわかるという意味ですね。
⇒抗CCP抗体が100以上のひとは、MTXだけでなく生物製剤が必要になることが多い。(80%以上の確率)
⇒一方、抗CCP抗体が100以下であれば、MTXだけで寛解できる率もかなりある。
(およそ30−40%という印象、もちろん本院のようにMTX12mg〜24mg以上を使用した場合の話。8mg以下で寛解可能な症例はごく少数です。)
⇒薬が効いて、リウマチが良くなると値も下がる。 抗CCP抗体(およびリウマチ因子)の数字を下げる効果は、MTXがもっとも大きい。一方、生物製剤では薬が効いても、それほどこの数字は下げない。
抗CCP抗体は初期診断だけでなく、治療効果の判定にもたいへん有用です。

答えはYESです。
あきらかに比例します。 エビデンス文献 #1 #2

答えはYES and NO です。
抗CCP抗体自体がリウマチの原因そのものになっているかはまだわかっていません。
ただ、これだけ密接な相関がある場合(特異度が高い)リウマチ発症の原因に関連している可能性は
かなりありうるといえます。

答えはYES and NO です。
使えます。ただ保険の関係上使えません。
病気が薬でよくなったときに、抗CCP抗体が下がったこともみなさん確認したいと思います。
このほど、リウマチ診断後の再測定(生物学的製剤変更判断目的)、保険適応が認可されました。

多くの医療機関では、検査方法の違いにより100以上の高値のものは数字が測定不可能です。
自由が丘整形外科では100以上の場合でも、200なのか500なのか1000なのか実測が可能です。
なかには3000〜4000といったかたもいらっしゃいます。やはり、そういうひとはリウマチの勢いも強いことが多いの
です。 高値に出れば治療の気合の入れ方が違ってきますから、(つまり、はやめにMTX増量、生物製剤開始する
ということ)やはりいくつなのか知りたいですよね。
一度は実測値を調べておくことをおすすめしています。
関節リウマチ発症予防「抗CCP抗体陽性の関節炎患者では直ちにMTX投与の開始を」
診断未確定関節炎(UA)に対するMTXの有効性を検討したPROMPT試験で、抗CCP抗体陽性UA患者に対してMTXを早期投与することでリウマチ発症が有意に抑制された。
文献引用:関節リウマチの寛解は可能か―Fredinand C.Breedveld APLAR 2010
診断未確定関節炎(UA)は、関節炎の症状はみられるがRA(リウマチ)の診断基準は満たさず、ほかの関節炎と
も診断されない病態であり、患者の約30%が1年後にRAと確定診断され、一部の患者で自然寛解することが知られ
ている。UAに対するMTXの有効性を検討したPROMPT試験(van Dongen H et al.Arthritis Rheum 2007;56(5):
1424-1432)では、抗CCP抗体陽性UA患者ではRA発症が有意に抑制され(p=0.0002)、X線所見の進行も有意に
抑制されたが(p=0.03)、抗CCP陰性例では効果は認められず、抗CCP抗体の有無によって早期MTX投与の効果
が異なることが示された。そのため、Breedveld先生は「抗CCP陽性のUA患者に対しては、経過観察ではなく、
直ちに治療を開始し、RAへの進行を抑制することが重要である」と指摘した。
エビデンス文献;
#1 Berglin E,Johansson T,Sundin U,et al: Radiological outcome in rheumatoid arthritis is predicted by presence of antibodiesagainst cyclic citrullinated peptide before and at disease onset,and by IgA-RF at disease onset. ― http://ard.bmj.com/content/65/4/453.short
#2 Syverrsen SW,Gaarder PI,Gokk GL,et al: High anti-CCP levels and an algorithm of four variables predict radiographic progression in patients with rheumatoid arthritis: results from a 10-year longitudinal study ― http://ard.bmj.com/content/early/2007/05/25/ard.2006.068247.abstract
Alessandri C,Bombardieri M,Papa N,et al: Decrease of anti-cyclic citrullinated peptide antibodies and rheumatoid factor following anti-TNFα therapy (infliximab) in rheumatoid arthritis is associated with clinical improvement ― http://ard.bmj.com/content/63/10/1218.abstract
Caramaschi P,Biasi D,Tonolli E,et al: Antibodies against cyclic citrullinated peptides in patients affected by rheumatoid arthritis before and after infliximab treatment ― http://www.springerlink.com/content/kncwhc5nucv2t69k/
De Rycke L,Verthlst X,Kruithof E,et al: Rheumatoid factor, but not anti-cyclic citrullinated peptide antibodies, is modulated by infliximab treatment in rheumatoid arthritis ― http://ard.bmj.com/content/64/2/299.abstract
van Dongen H et al.Arthritis Rheum 2007;56(5): 1424-1432
Efficacy of Methotrexate Treatment in Patients With ProbableRheumatoid Arthritis http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.22525/pdf
東京リウマチ・膝関節治療センター 自由が丘整形外科 院長 天本 藤緒


