TREATMENT DATA

MTXとエタネルセプト(エンブレル)併用療法

エタネルセプト+MTX併用療法は、2009年の欧州リウマチ学会(EULAR)で有効性が証明され、本院が積極的に取り組んできた治療です。では、現在でもその治療方針は変わっていないのでしょうか。

欧州リウマチ学会(EULAR2009)発表の内容

2009年6月、デンマーク・コペンハーゲンで開かれた欧州リウマチ学会で、エタネルセプトとMTXの併用療法に関する報告がありました。本院で積極的に行っているこの治療が、海外・日本のデータのいずれにおいても非常に効果があると証明されました。

早期の関節リウマチ患者に対し、MTX単独治療とエタネルセプト+MTXの併用治療を比較したCOMET試験の2年目の報告です。エタネルセプト+MTX併用群でリウマチの活動性・関節破壊の進行抑制ともに有意に優れた結果でした。[#1]

COMET試験の結果
評価項目 MTX単独 エタネルセプト+MTX
寛解達成率 28% 50%
関節破壊の進行なし 72% 80%

日本での臨床データでも同様に、エタネルセプト+MTX併用療法の高い有効性が確認されました。この結果が、本院で積極的にこの治療を推進してきた裏付けとなっています。

EULAR2025でも方針は変わっていない

EULARは定期的にガイドラインを改訂しており、2025年6月に最新版が発表されました。[#2]

「MTXを早期に開始し、効果不十分な場合に生物学的製剤を加える」という基本方針は、2009年から2025年現在も変わっていません。エタネルセプト+MTX併用療法は、16年にわたる豊富な実績とともに、今も有効な治療として推奨され続けています。

なお、2010年代以降はJAK阻害薬(内服薬)という新しい選択肢も加わりましたが、「生物学的製剤はMTXとの併用が推奨される」という原則も変わっていません。患者さんの状況に応じて最適な薬を選択することが大切です。

本院での実践

本院の経験では、エタネルセプトにMTXを十分量併用することで、週1回・25mgという標準より少ない投与量でも寛解を維持できる方が多数います。10日・2週間に1回まで間隔を延ばして良好な状態を保っている方も少なくなく、コストと効果の両立が十分可能です。

さらに近年はエタネルセプトのバイオシミラー(後発バイオ医薬品)も使用できるようになり、先行品と同等の効果を維持しながら薬剤費を抑えることができます。

「コストパフォーマンスに優れた生物学的製剤を使用する時代に入った」というのが本院の見解です。
生物学的製剤の詳細と治療費 → 寛解・薬の減量について →

参考文献

  1. Emery P, et al. Comparison of methotrexate monotherapy with a combination of methotrexate and etanercept in active, early, moderate to severe rheumatoid arthritis (COMET): a randomised, double-blind, parallel treatment trial. Lancet. 2008;372(9636):375–382.
  2. Smolen JS, et al. EULAR recommendations for the management of rheumatoid arthritis with synthetic and biologic disease-modifying antirheumatic drugs: 2025 update. Ann Rheum Dis. Published Online First: 12 March 2026. doi: 10.1016/j.ard.2026.01.023
    https://ard.eular.org/article/S0003-4967(26)00075-0/fulltext
天本藤緒医師
監修
天本 藤緒 医師
東京リウマチクリニック理事長
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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