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抗CCP抗体とは何ですか?

抗環状シトルリン化ペプチド抗体、
(Anti-cyclic citrullinated peptide antibody=ACPA)

リウマチを診断・治療していくうえで、いま最も重要なのが抗CCP抗体という血液検査の項目です。

まず、正常値(単位)は4.5未満(U/mL)です。

これは、日本で採用されているほとんどの検査機関で共通している数字です。

(海外で調べた場合は基準値が異なることがあります)

日本人の健常者の抗CCP抗体陽性率は1.5-2%

(人間ドックのデータより推定、聖路加国際病院の調査などによる)

後に関節リウマチを発症した患者さんは、発症よりかなり前から陽性になることがわかっています。

人間ドックなどでたまたま抗CCP抗体が陽性だった場合、80%以上の確率で数年以内(数カ月~5年程度)に関節リウマチを発症することが分かっています。ほとんど症状のない段階から陽性になるので関節リウマチの発症予測に使うことができます。例えば、母親や兄弟に関節リウマチの患者さんが複数いらっしゃるなど、遺伝を心配される場合は、一度調べてみてもいいのではないでしょうか。

抗CCP抗体の数値とリウマチ重症度

抗CCP抗体の数字自体は、リウマチの重症度とはっきり比例するわけではありません。

ただし、おおまかに言って、20以下で陽性の方とそれ以上の数字で抗CCP抗体が陽性の方を比べると、高いグループの方がリウマチの勢いが強いことは間違いのないところです。

また、数字が高いかたは 治療期間も長期戦(5年から10年以上という単位)になる傾向があります。エビデンス文献 #1 #2

抗CCP抗体陽性の方が関節リウマチを発症した場合、早期に十分な治療をしないと、1-3年以内に関節の変形が重度に進行しやすいこともわかっています。

ですから、抗CCP抗体が高い方は、積極的に先手、先手を打って治療していくことが重要です。

抗CCP抗体の数値は下がるのか

薬が効いて、リウマチが良くなると抗CCP抗体の数字も下がることが多いようです。

ただし、抗CCP抗体というのは、リウマチ発症のかなり根っこに近い部分を表現しているため、実際の表面に出てくる症状とは必ずしも比例せず、良くなっていても数字が上がり続けるようなケースも見られます。ですから、必ずしも、リウマチの治療効果の判定に有用とは言えません。リウマチ診断後の保険診療では、生物学的製剤変更判断目的の測定のみ認められています。

抗CCP抗体が陽性の場合
どのタイミングで治療を始めるべきか

抗CCP抗体が陽性でも、全く無症状の患者さんに薬物治療をおこなうことは行なっていません。世界的に使われているリウマチの分類基準(ACR/EULAR2010基準)というものがあります。ほとんどの専門医がこれを目安に治療を開始していると思われます。非常によく考えられた基準なので、この基準を満たしてすぐに治療を開始すれば遅すぎるということはありません。

ただし、CRPなどが正常でも頸椎の滑膜炎病変や超音波やMRI検査などでしか見つけられない初期の炎症所見が見つかることもよくあります。

本当にリウマチが始まっていないのか、十分に精査して評価することが、適切な治療開始のタイミングを逃さないためには重要です。また、せっかく治療を開始しても、効果の不十分な薬のままで炎症が続くと関節の破壊が進んでしまうケースが多く見られます。

文献引用

関節リウマチの寛解は可能か
―Fredinand C.Breedveld APLAR 2010

エビデンス文献

#1 Berglin E,Johansson T,Sundin U,et al:Radiological outcome in rheumatoid arthritis is predicted by presence of antibodiesagainst cyclic citrullinated peptide before and at disease onset,and by IgA-RF at disease onset.―

http://ard.bmj.com/content/65/4/453.short

#2 Syverrsen SW,Gaarder PI,Gokk GL,et al:High anti-CCP levels and an algorithm of four variables predict radiographic progression in patients with rheumatoid arthritis: results from a 10-year longitudinal study―

http://ard.bmj.com/content/early/2007/05/25/ard.2006.068247.abstract

Alessandri C,Bombardieri M,Papa N,et al:Decrease of anti-cyclic citrullinated peptide antibodies and rheumatoid factor following anti-TNFα therapy (infliximab) in rheumatoid arthritis is associated with clinical improvement―

http://ard.bmj.com/content/63/10/1218.abstract

Caramaschi P,Biasi D,Tonolli E,et al:Antibodies against cyclic citrullinated peptides in patients affected by rheumatoid arthritis before and after infliximab treatment―

http://www.springerlink.com/content/kncwhc5nucv2t69k/

De Rycke L,Verthlst X,Kruithof E,et al:Rheumatoid factor, but not anti-cyclic citrullinated peptide antibodies, is modulated by infliximab treatment in rheumatoid arthritis―

http://ard.bmj.com/content/64/2/299.abstract

van Dongen H et al.Arthritis Rheum 2007;56(5): 1424-1432 Efficacy of Methotrexate Treatment in Patients With ProbableRheumatoid Arthritis

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.22525/pdf
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