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MTXを中心とした
関節リウマチ治療薬

MTXと葉酸は
リウマチ治療の重要な役割

MTXはリウマチ治療の中心的な薬剤

MTX :
(メトトレキサート・メトレート・リウマトレックス・メソトレキセート)

1カプセルの含有量2mgで抗リウマチ剤のなかでもっとも確実によく効く薬です。

MTXは、現在では世界的に抗リウマチ剤の第一選択薬になっています。

なぜ、MTXを第一選択とするのか

MTXについて動画で解説しています。

MTXの投与量について

リウマチのごく軽症の方や強い肝障害、肺疾患のある方、妊娠を考慮されている方などを除き、私の場合ほとんどの方に処方します。

昔から抗がん剤として使われている薬ですが、抗がん剤として使われる量のおよそ100分の1の量を週1回〜2回投与するだけでよく効きます。

まず服用する曜日を決めて週に4mg-8mg(2-4カプセル)の少量から開始し、効果の出るまで数カ月かけて増量していきます(男性20mg 女性16mg程度)。

だいたい飲み始めて1〜2ヶ月で効果が出てくることが多いようです。

日本では、最大一週間に8mg(=4カプセル)までと決められていました。

2011年に改訂され16mg/週までの投与が認められました。

日本以外の欧米、アジアの国でも必要があれば25mg(リウマトレックス10-12カプセル)まで使用されてきました。

近年は、最大30mg-40mg投与する施設も増えているようです。

十分な量を使えば良くなるものを、投与量の制限があるためにリウマチが進行してしまう患者さんが大勢いました。

今回の添付文書の改定で日本のリウマチ専門医も徐々に12mg以上の投与に慣れてゆき、副作用への過度な恐怖心もとれていくことでしょう。

本院のリウマチ外来では私の責任のもとに、長年それぞれの患者さんに最も適切な量を処方してきました。

適切な量とは強い副作用のない範囲で最大の効果をあげる量です。

リウマチコントロールの目標は、炎症の強さをあらわす血液の数字CRPがある程度の指標になります。

しかし、症状は検査の数字よりももっと大切です。

寛解を目標とした治療

  • 関節の腫脹はゼロ、痛みはたまに軽くある程度
  • 家事はもちろんのこと、ジョギング・テニス・ゴルフなどのスポーツや旅行・山歩きが普通の人とかわらずにできる

というのが私たちの第一に目指す治療目標ラインです。

「寛解」という専門用語におきかえてもいいでしょう。ですから、リウマチ性の痛みや腫れが続く場合、たとえCRPが低くてもMTXを増量します。(もちろん強い副作用が出現すればそれがMTX投与量上限になります。)そのかわり、副作用のチェックは厳しくおこなっていきます。安心してください。

リウマチ症状が落ち着き、「寛解」に至った場合のリウマチ薬の減らし方については、「寛解時のリウマチ薬の減量について」をご参考ください。

MTXの副作用について

シオゾールなどの今までによく使われた抗リウマチ剤と比較して、むしろ副作用は少ないといえます。

ただし、間質性肺炎(レントゲンで肺が白くなる)や白血球減少など危険な副作用が稀に起こるので注意が必要なのです。正しい服用法とチェックを怠らず、早めに対処すれば大事にはいたりません。

投与開始前に胸部レントゲンをチェックします。

また、投与開始後は3〜4週後に血液検査をして副作用のチェックとCRPの下がり具合をみます。安定してくれば採血は1-2カ月おきに減らします。

咳や発熱、息苦しい、ひどい全身倦怠感などの症状が出たときは次の受診日を待たず、すぐに受診し、胸部レントゲンのチェックと血液検査を受けてください。

詳しくは「MTX服用中に風邪の対処法」をご覧ください。

他によくある副作用は、胃腸障害・口内炎・空咳・喉など粘膜が荒れる・息苦しい・倦怠感・髪を洗ったとき毛が抜けやすい・内出血しやすい・生理の出血が止まりにくい・肝機能の数字の上昇などがあります。

これらの副作用は反面、体内で薬剤が良く作用している(濃度がよく上がっている)というサインにもなりますから、軽症であればあまり心配する必要はありません。

葉酸(フォリアミン)について

副作用を抑えるために葉酸(商品名フォリアミン)というビタミン剤を服用してもらいます。MTXと一緒に飲むと、抗リウマチ作用を減弱させてしまいます。本院では、MTXを服用した土日の後の月曜日に2錠服用していただいています。

初めてMTXを服用する場合はフォリアミンを前日に

初めてMTXを服用する患者さんは、抗リウマチ作用よりMTX服用することに慣れていただくことが重要ですので、MTXを服用する前日に必ずフォリアミンを服用するよう説明しています。

詳しくは下記「葉酸の役割」をご覧ください。

MTXの服用方法

本院の患者さんは、土曜、日曜の朝にまとめて服用するように指示しています。添付文書に書いてある飲み方と少し違うので注意してください。

お薬の性質をよく理解していれば、次のように飲み方は個人にあわせて多少アレンジしていいのです。

飲み忘れにくい曜日に変更してもかまいません。

薬を飲み忘れたら?

曜日は厳密なものではありませんから、飲み忘れたら次の日に飲めばいいのです。

一週間のあいだに飲む量が一定していればいいのです。

一応朝食後としてありますが、朝昼夕食後のいずれでも、1回で飲んでも、2回にわけてもかまいません。

日本リウマチ学会冊子メトトレキサート服用する患者さんへ

エビデンス文献

●MTX肺炎―徳田均 リウマチ科42巻第5号:516-224.2009/11 特集メトトレキサートを有効かつ安全に使用するための最新の知見

●メトトレキサートの体内動態と薬物相互作用―森俊輔 リウマチ科42巻第5号:471-479.2009/1

メトトレキサート使用に関するQ&A

メトトレキサート(MTX)の内服に関する質問を多くにお答えしています。MTXを使用したリウマチ治療を始める患者さんがより理解を深めるきっかけになれば良いと思います。

(他院受診中)MTXを使っていてよく効いていたのだが、空咳が続くので、胸のレントゲンを撮ってみた。異常はなかったが間質性肺炎の危険があるということで中止になってしまった。
MTXの副作用はいろいろありますが、これを説明するキーワードは粘膜障害です。 胃腸障害、口内炎、口唇炎、腟粘膜からの出血など多くの副作用はこれで説明がつきます。 のど(咽頭や喉頭)も御多分に漏れず表面は粘膜ですから、ものが飲み込みにくいとか、いがいがする、空咳などの訴えは終始みられます。 すぐに、肺炎かと大慌てせずに、胸のレントゲンや血液検査から肺炎の可能性が低ければ、葉酸を投与していなければ追加、また症状がひどくなければ対症療法で経過をみるべきです。
MTXを飲み始めましたが、飲んだ初日に気持ち悪くなってもどしそうになりました。強い薬と聞いていたので怖くなり止めてしまいました。 先生に相談してみたところ、あなたには合わないようだと言われ、中止することになりました。代わりに副作用の少ない軽めの薬を使っていますが、その後リウマチはどんどん悪化しているようです。 MTXを使い始めたところ、4週間後の血液検査で肝機能の数字が上がっていると言われ中止しました。やはりリウマチは悪化しています。
MTXを使うときは、最初から必ず葉酸を併用することを強く推奨しています。 葉酸というビタミンは健康な人でも欠乏状態にあることが多く、そこに、MTXが投与されると高率に胃腸障害・肝機能障害が起きてきます。 一度、気持ち悪くなってしまうと、患者さんはやっぱり強い薬なのだという強い恐怖感をもってしまい、それきり止めてしまうことも多くなります。 MTXは他の飲み薬とくらべてダントツに効果の高い薬です。MTXを使うことをあきらめてしまうと、リウマチが治るチャンスを奪ってしまうことになりかねません。
MTX(リウマトレックスとメトトレキサート)の違いは何ですか?
リウマトレックスはカプセルなので、錠剤のメトトレキサートに比べて人によっては、胃腸で吸収される割合が悪くなり、その分、効果が悪くなるケースが時に見られます。 そのため、本院では、ほとんどの患者さんで錠剤のメトトレキサートに統一しています。 また一方で、メトトレキサートだと胃腸障害がでやすいので、リウマトレックスを希望される患者さんもたまにいらっしゃいます。

メトトレキサートの皮下注射薬も登場しています。自己注射も可能で、シリンジタイプとペンタイプがあります。効果は服用タイプと同等の有用性があり、消化管障害が少ないと言われています。メトジェクトについてはコラムで紹介していますので、リンク先でご確認ください。

その他のリウマチ治療薬

レフルノミド
商品名 アラバ1錠10mg

服用法と効果と副作用

毎日1錠または2錠(お年寄りでは1日おきに1錠のことも)内服。

副作用は、MTXと同様の注意が必要です。

倦怠感、胃腸障害、肝障害、血液障害、脱毛、間質性肺炎が出ることがあります。

毎日服用を1日おきに減らす、または中止するなどしてもかまいません。

MTXおよびアラバ服用中の重要チェック項目

重要なチェック 1

咳がとまらない、38度以上の熱がある、食欲がほとんどない、息苦しい、ひどくだるいなどの場合には服用を中止し、できるだけ早く来院または電話再診を受けてください。

遠方の場合、近くの病院の救急外来を受診し、胸部レントゲンチェックを受けてください。

重要なチェック 2

服用されている間、妊娠すると流産・先天性奇形の危険があるので必ず避妊してください。

(男性患者さん・女性患者さんとも挙児希望の場合はご相談ください。)

重要なチェック 3

ほんとうに妊娠の可能性がないか、もう一度確認してください。

最後の生理はいつでしたか?

重要なチェック 4

タバコは絶対に止めてください。

お酒は缶ビール1-2本ぐらいまでなら良いですよ。

▼リウマチ治療中、お酒は飲んで良いのか?

缶ビール1~2本までぐらいOK。

MTX内服日も飲酒可能ですが、人によっては悪酔いするかもしれないので気をつけて。というのがいつもの私のお答えです。

本院の患者さんは便宜上、MTXを土日に内服してもらっていますが、同じ日にこころおきなくお酒を飲みたければ別の曜日にずらしてもよいのです。

リウマチの患者さんは、タンパク質不足におちいりやすいので、上質な魚やチーズなどのおつまみをしっかりとることを強くすすめています。

重要なチェック 5

感染に注意し、石鹸でしょっちゅう手を洗ってください。

サラゾピリン
商品名 アザルフィジン 1錠500mg

服用法と効果と副作用

大きな粒の錠剤です。上記のMTXと併用することもあります。

1日1錠から開始しだいたい1日2錠から4錠に増量していきます。

副作用として胃腸障害、下痢、咳、白血球減少などがあります。

やはり効いてくるのに1-2カ月かかります。

※サルファ剤アレルギーの方は服用できません。

ステロイド

プレドニン、プレドニゾロン 1錠 1mg(または5mg)

服用法と効果と副作用

以前は抗リウマチ治療の中心でしたが、最近では長期的な副作用が大きいためできるだけ使わないようになっています。

もっともこわいのは

  • 骨粗しょう症とそれによる骨折です。
  • ムーンフェース、脂肪がついて顔が丸くなること
  • 胃潰瘍
  • 糖尿病
  • 大腿骨頭壊死
  • 感染に対する免疫力の低下
  • 傷が治りにくいなど、
    1年以上服用しているといろいろな副作用の危険があります。

ただ痛みにはすごくよく効くし、飲むとすぐに効くので、MTXなどの抗リウマチ剤で抑えられない場合や、また効いてくるまでのつなぎとして補助的に使います。

本当に全身の痛み、炎症が強いときは我慢することのほうが体に悪いのでMTXなど他の薬が効いて楽になるまで一時的に増量することは、正しい使用法です。

1日5mg以下であればあまり心配はいりませんが、できれば3mg以下に抑えたいところです。

また、減量する場合1カ月から3カ月かけてゆっくり減らしていかないと、ひどい症状が出ますから急に止めたりしないでください。

ただし、1日5mg以下の少量投与されている方は、その日の調子によって2〜3mgの範囲で自己調節をしてもかまいません。

(たとえば、お出かけの日はいつもより2-3mg多めに飲む等。)

ステロイド剤で何とか痛みは治まっているが、このまま続けると副作用が心配です。最近、顔に脂肪がついて丸くなってきたのですが。
MTXや生物学的製剤がリウマチ治療の基本なのは間違いありません。 ステロイドはMTXや生物学的製剤が効いてくるまでのつなぎとしての投与が基本です。 しかし、炎症の急性期にはステロイドの力も借りなければ、スムーズな治療がおこなえません。 特にケナコルトの関節注射は速効性があるので非常に重要です。感染にさえ気を付ければ、内服のプレドニンよりも全身的副作用が大幅に抑えられます。 プレドニン内服1日5mgでも少量といわれますが、長期的にはさまざまな副作用を全身の臓器に及ぼします。私たちは完全中止または1日2-3mg以内を目標に治療しています。 できれば調子が悪い時だけの屯服にしたいものです。 5-10mg程度のプレドニンを数年以上使用された患者さんは、眼には見えなくても、全身の臓器・組織の毛細血管の老化(動脈硬化)・骨粗鬆症が進んでいます。

骨粗鬆症治療薬

服用法と効果と副作用

大まかに言って、60歳以降の日本人全体、特に女性はほとんど全員、骨粗鬆症になっていくと考えてください。

牛乳を飲んだり、小魚を食べたりするのも重要ですが、それでも、とても骨の老化には追いつきません。

特にリウマチの患者さんは骨粗鬆症必発です。

したがって、全員最低限、カルシウムとビタミンD製剤のサプリメントが必要です。本来は市販のものの方が安価で飲みやすいと思います。

私が調べた中では黄色いラベルのネーチャーメイドという製品が最もよいと思います。

(牡蠣の殻からつくられていて添加物がはいっていない。)

(コンビニ、ドラッグストアに売っている。)

カルシウム単独でなく必ずビタミンDが配合されていることが肝要です。

ご家族も一緒に飲まれると5年後、10年後の骨の強さが全然違ってきます。

とにかく長く続けることが重要です。

また、ステロイドを服用している 、子宮や卵巣の摘出手術をしている、胃を切除している、閉経が早かった方などは特にリスクが高いのでさらに強力な予防が必要です。

トヨファロール(活性型ビタミンD)

ほぼ全員にトヨファロールという活性型ビタミンD製剤を処方するようにしています。

フォサマック
・ボナロン(アレンドロネート)
アクトネル(リセドロネート)

カルシウムとビタミンDだけでは不十分な場合処方します。

1日1回空腹のときに飲むようにしてください。吸収が悪くなるので他の薬と一緒に飲まないようにしてください。胃腸に最ももたれやすいので、胃の調子が悪いときは中止して構いません。

エビスタ(ラロキシフェン)

フォサマックより胃腸障害がずっと少なく飲みやすいので、閉経後の女性にはこちらをおすすめします。乳がんの予防効果もあります。

血栓症の既往のある方は使用できません。ふくらはぎなどの筋肉痛がときに見られます。

フォルテオ

もっとも強力な骨粗鬆症の注射薬です。

重症のかたや、骨折の既往のあるかたに使います。

※高血圧、コレステロールの薬も長期処方できます。(2-3カ月分)

他院で処方されている薬も、本院でまとめて処方できます。

受付までお申し出ください。

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