TREATMENT SAFETY

リウマチ治療と肝炎

肝炎チェック

本院ではリウマチ治療中の患者さん全員に、B型・C型の肝炎チェックを行っています。めったにありませんが、ごく稀にリウマチの薬で免疫力が落ちて、隠れていた肝炎が出てくることがあるからです。

日本人ではB型肝炎に知らない間にかかって治っている人が、なんと6〜7人にひとりぐらいいます。ですから、B型肝炎抗体が陽性に出ても全く普通のことですから、気にしないでください。
(抗原陽性と出たらかなり注意が必要です。=キャリヤー)

以下は、本院のリウマチ内科医による詳しい解説です。

RA治療前の事前チェック

肝炎を持っている方は、リウマチ治療によって肝炎が悪化してしまうことがあります。事前に調べておくことが大切です。

以前より、生物学的製剤を使用する患者さんに対しては、治療の初期段階で【今、肝炎(B型・C型)が発症している状態かどうか?】という検査を行ってきました。(HBs抗原、HCV抗体という検査項目)

現在肝炎がある方の場合、ご紹介する肝臓内科にかかっていただいています。しかし、最近になり特にB型肝炎については以下のことを注意する必要があるといわれるようになりました。

主な検査項目
  • HBs抗原・HBs抗体・HBc抗体(B型肝炎の現在・既往感染の確認)
  • HCV抗体(C型肝炎の確認)
  • 肝機能(AST・ALT・γGTP)

リウマチ治療による再活性化

今までの概念で【昔々に肝炎を患った方=肝炎が治った】と考えられていた患者さんの中で、がんの化学療法や免疫抑制療法を行うと、稀にB型肝炎を発症してしまい重症化する方がいらっしゃる、ということがわかってきました。(B型肝炎の再活性化といいます。)

ごく微量のB型肝炎ウイルスが体に残ってしまうことが原因といわれています。そのために、本院では昔にB型肝炎を患っていないかのチェックとして、HBs抗体・HBc抗体を調べるようになっています。

では、HBs抗体・HBc抗体のいずれかもしくは両方が陽性だった方は?

  1. 今まで記憶になかったとしても、昔に肝炎にかかったことがある。
  2. 医療従事者で、B型肝炎ワクチンを接種した。

などが考えられます。

これらの方は、あくまでも昔に肝炎を患ったというだけで、普通に生活するにはまったく問題ありません。他人に言う必要もありませんし、家族にうつる心配もありません。

がん治療などと比べて、リウマチ治療によるB型肝炎の再活性化は少ないといわれてはいますが、まだ日本では調査中でデータがありません。ウイルスが活発になり肝炎を発症してしまう場合には、早期に専門治療が必要になるため、定期的にHBV-DNAというウイルス量をみる採血検査を行っていきます。

B型肝炎の再活性化は重篤な肝炎・肝不全につながる可能性があります。万が一HBV-DNAが陽性になったときには、肝臓内科専門医をご紹介の上、協力して診療していきます。

不明点・ご相談がありましたら、いつでもご質問ください。

天本藤緒医師
監修
天本 藤緒 医師
東京リウマチクリニック理事長
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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