トシリズマブとは
トシリズマブ(中外製薬と大阪大学で共同開発)は、今まであった2つの注射薬(エタネルセプト・インフリキシマブ)とだいたい同じような薬剤と考えていいでしょう。どちらも体の中で炎症を起こしている物質=サイトカインの働きをブロックする薬剤です。
炎症とは
痛み・熱・腫れのおおもとになっているからだの状態を表す医学用語です。風邪をひいたときと同じ状態と考えてください。ふつう炎症は、自分の体の免疫システムが細菌・ウイルスなどの異物と戦っているときに起きますが、リウマチなどの自己免疫疾患では、間違って自分の体の組織を攻撃しています。
炎症が起きているとき、体全体では白血球・肥満細胞などの免疫細胞が「外敵」に反応して多くの炎症物質(サイトカイン)を分泌します。このサイトカインがIL-6です。
TNF阻害薬(インフリキシマブ・エタネルセプト)との違い
TNF阻害薬がTNF-αを標的とするのに対し、トシリズマブはIL-6受容体を阻害します。TNF阻害薬で効果が不十分だった方や、CRP・血沈が著しく高い場合に特に有効です。MTXを使用できない方でも単独投与が可能です。
投与方法
皮下注射(2週に1回・自己注射可)
162mgを2週間に1回皮下注射。オートインジェクターで自己注射が可能です。
点滴静注(4週に1回)
体重に応じた用量(8mg/kg)を約1時間かけて点滴します。
どのような方に投与するか
本院ではインフリキシマブ・エタネルセプト・アラバなどを優先して使用し、それでも症状がかなりひどい方のみに限定して使用していきます。
- MTX・他の抗リウマチ薬で効果が不十分な方
- TNF阻害薬で効果が不十分だった方
- CRP・血沈が著しく高い方
- MTXが使用できない方(肝障害・肺疾患など)
費用の目安(3割負担の場合・2026年4月改定)
皮下注162mg(2週1回):4週あたり約19,492円、点滴(400mg・4週1回):4週あたり約13,848円。高額療養費制度の対象となります。
副作用について
感染症:免疫を抑制するため肺炎・結核・帯状疱疹などのリスクが上昇します。IL-6を阻害するため感染時の発熱が抑えられる場合があり、発熱がなくても感染している可能性がある点に注意が必要です。発熱・咳・息苦しさなどの症状が出た場合はすぐにご連絡ください。
その他:好中球減少・血小板減少・肝機能障害・消化管穿孔(頻度は低い)などがあります。定期的な血液検査で副作用をモニタリングします。
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